消防の救急隊で経験を積んだあと、民間の会社や病院で働くことを考える救急救命士の方もいると思います。
同じ「救急」の仕事でも、消防と民間では、決まりも働き方も違うところがあります。
入ってから「思っていたのと違った」とならないように、応募の前に確かめておきたいことを7つにまとめました。
1. 運ぶ相手と、緊急かどうか
消防の救急隊は、119番の通報を受けて、緊急の傷病者を運びます。
一方、民間救急(患者等搬送事業)が運ぶのは、緊急性のない方です。
消防庁が示している基準でも、患者等搬送事業者は緊急性のない者を搬送の対象とすることとされています。
入退院や転院、通院などの移動を支えるのが中心の仕事です。
搬送の途中で急いで病院へ運ぶ必要が出たときは、119番で救急車を呼ぶことも、同じ基準に書かれています。
「一刻を争う現場」から「安全に最後まで運ぶ現場」へ移ることになる、と考えておくとよいと思います。
2. サイレンを鳴らして走るのか
民間救急の車は、サイレンや赤色の警告灯を付けるなど、救急車とまぎらわしい見た目にしないことが基準で決められています。
一方、医療機関が傷病者の緊急搬送のために使う救急車(病院救急車)は、公安委員会の指定を受ければ、緊急自動車として走ることができます。
同じ会社の仕事でも、民間救急の車に乗るのか、病院救急車に乗るのかで、走り方が変わります。
転職先でどの車に乗ることが多いのかは、確かめておきたいところです。
3. 救急救命処置をどこまで行うのか
救急救命士法では、救急救命士がその業務を行える場所に決まりがあります。
基本は、医師の指示を受けるための通信設備などを備えた救急用自動車などの中です。
2021年10月1日からは、病院に勤める救急救命士が、決められた院内研修を受けたうえで、救急外来でも救急救命処置を行えるようになりました。
消防で行っていた処置が、転職先でも同じように行えるとは限りません。
どの場面で、どこまでの処置をする体制なのかは、面接で率直に聞いてみてください。
4. 第二種運転免許が要るか
道路交通法では、旅客自動車運送事業として人を運ぶ車を運転するには、第二種運転免許が必要とされています。
民間救急の事業者は、こうした運送事業の許可を受けて患者様を運ぶことがあり、運転する人に第二種運転免許を求めることがあります。
当社の救急救命士(正社員)の募集では、第二種運転免許を持っている方、または取得の意向がある方を応募の条件にしています。
消防で救急車の運転をしていた方でも、第二種運転免許を持っていないことは珍しくないので、早めに確かめておくと安心です。
5. 職場はどこで、どんな勤務か
消防では、署に出勤して当務につく働き方が多いと思います。
民間に移ると、職場の場所や勤務の形が大きく変わることがあります。
当社の場合、職場は病院の中です。
担当する病院は1か所ではなく、複数の病院を受け持ち、それぞれの病院で医師・看護師などのスタッフと一緒に働きます。
病院へは基本的に直行直帰で、正社員の多くは、病院の勤務日に合わせて月曜から金曜の日勤で働いています。
夜勤のシフトは希望によります。
休日は4週8休です。
6. 給与の内訳
求人票の月給は、何が含まれている金額なのかまで見ておくと、比べやすくなります。
当社の救急救命士の募集では、月給を次の幅で示しています。
- 正社員・リーダー候補:月給30万円〜40万円
- 正社員・一般:月給24万円〜40万円
- アルバイト:時給1,500円〜2,500円
正社員の月給には、固定残業代が含まれています。
固定残業時間を超えた分は、別に支給します。
このほか、搬送の件数などに応じた手当や、年1回の賞与(会社の業績などにより支給しない場合があります)があります。
内訳の詳しいことは、採用ページの募集要項で確かめられます。
消防で受けていた手当と、何が同じで何が違うのかを書き出してみると、比べやすくなると思います。
7. 仕事の覚え方と、記録のしかた
民間では、決まった手順がない場面で、自分で考えて動くことが求められる場合があります。
当社でも、入社後しばらくは搬送でも院内の業務でも先輩が付きますが、その後はマニュアルに書いていない場面でも、その場で判断することが求められます。
実車を使った運転訓練や、社内の勉強会、症例の振り返りもあります。
また、当社では搬送の記録、車両点検、勤務の記録、経費の申請などを、自社で作ったアプリで行っています。
紙からアプリへの切り替えを強く進めているので、昨日まで紙だったものが今日からアプリに変わることもあります。
決まったやり方を守ることに加えて、やり方そのものを良くしていくことを楽しめるかどうかも、考えておきたい点です。
消防での経験は、そのまま力になる
違いを並べてきましたが、消防で身に付けたことが役に立たなくなるわけではありません。
患者様の状態を見て、容態を変えずに運ぶ知識と技術は、民間でもそのまま使えます。
当社の採用ページの社員紹介でも、消防本部で救急救命士として10年働いてから入社した社員が、課題を後回しにせず時間があるときに備えるという消防での姿勢が、いまも役に立っていると話してくれています。
長い時間を患者様やご家族と一緒に過ごす転院搬送では、声のかけ方や接し方も大切な技術になります。
まとめ
消防から民間へ移るときは、運ぶ相手、走り方、処置の範囲、運転免許、職場、給与の内訳、仕事の覚え方の7つを確かめておくと、入ってからの思い違いを減らせます。
気になることは、面接で遠慮なく聞いてみてください。
当社では、神奈川県・千葉県・福岡県で救急救命士を募集しています。
採用ページには、1日の流れや入社前に知っておいてほしいこと、選考の流れをまとめています。
LINEは友だち追加や質問だけでも大丈夫なので、転職を考えはじめた段階でも気軽に使ってみてください。
→ 採用情報を見る(https://paramedic.ltd/recruit)
出典
- 消防庁「患者等搬送事業指導基準等の一部改正について」(平成18年3月31日 消防救第48号)別添1 患者等搬送事業指導基準:https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/assets/180331kyu48.pdf
- 道路交通法施行令(第13条 緊急自動車)e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270
- 救急救命士法(第2条・第44条)e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000036
- 救急救命士法施行規則(第22条・第23条)e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/403M50000100044
- 厚生労働省「医療機関に所属する救急救命士に対する研修体制整備について」:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26164.html
- 道路交通法(第86条 第二種免許)e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
- 株式会社パラメディック 採用情報:https://paramedic.ltd/recruit
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